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7月の短歌

常在を信ずることの難しき

    見えざる星のまたたきのごと



 

ともすれば萎える心を宥めゐて

    真夏の街に出でゆかむとす

​8月の短歌

ひたすらに流るもののあるごとく

    夢は夢路を辿り来しまま


 

 

 

人の生(よ)をはるかに遠く抱きゐて

    銀漢落つる地の涯の空




 

  五山送り火 三首

 

送り火の心を燃やす漆黒の

    闇にも負けずひとのなりわい



 

いつの日もひとの心根点しつつ

    逝くも送るもひとの哀しさ


 

いつか吾(あ)も送らるる身となりぬべし

    一夜一夜を重ねつつ生く

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